動産譲渡特例法の登記(part1)

なぜ、動産譲渡の登記が必要なのかというと一部債権譲渡の項でも説明いたしましたが、投資や融資というものは本来その元本と果実(配当や利息)を得るためにお金を出すもので、その事業を競売したりして強制的に換価処分をして終末を迎えさせるのが目的ではありません。

勿論、高度経済成長が続く中では、とりあえず必要なものとして開発された不動産が受給という面で逼迫しましたし、それが年々価格を高騰させていったものですから、事業が不振になって倒産しても、金融機関は融資資金が回収不能になることは考慮に入れる必要もありませんでした。

この様な時代、堅いと言われる金融機関の子会社で採用していた不動産鑑定書でさえも、収益還元法による価格と取引事例比較法による価格では、概ね2倍程度の差は開いていました。しかも、当時の調達金利は年8%程度も珍しくないのに、収益還元法での金利は6%前後でした。いかに当時の取引価格が投資可能価格とかけ離れていたかわかります。

この様な状態が何時までも続くわけはなく当然破綻を迎えます(バブルの崩壊)。

ここからは坂道を下るように不動産価格は下落を続けます、当然担保は過剰担保となり後順位者には配当が無いばかりか競売を申請する事さえ出来なくなりました。そうすると不動産による資金調達はかなり難しくなります、そこで先ずは処分がしやすい債権について譲渡の対抗要件を登記できる制度を創立しました。

なぜ、債権譲渡かというと譲渡される債権の信用力で十分担保になったからです。

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