動産・債権譲渡特例法(part1)
(正式名称;動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律)

(債権譲渡に関する事項)

この法律は元々債権譲渡の対抗要件に関する民法の特例に関する法律(以下債権譲渡の特例法と言う)として平成10年に成立したものを改正して10月から施行されたものです。

元々の債権譲渡の特例法が施行された背景としては、長引く不動産市況の悪化に伴い資金調達の困難さがクローズアップされる中、企業が持っている財産のうち流動化しやすい債権について資金調達の道具として利用できないかという事がきっかけでした。

この中で画期的な判決が出ます(最高裁判決平成11年1月29日民事集53巻1号151頁、判例時報1666号54頁)、従前確定的でない将来債権についてその特定が困難であることを理由にその譲渡を無効としていたものを、「契約当事者(譲渡人、譲受人)がその債権譲渡契約の中で債権発生の可能性の程度を考慮した上、債権が見込みどおり発生しなかった場合に譲受人に生じる不利益については譲受人の契約上の責任の追求により精算するとして、契約を締結したものと見るべきであるから、契約の締結時において債権の発生の可能性が低かったことは、契約の効力を当然に左右するものではないと解するのが相当である。」とし、将来債権の発生の可能性があるかどうかがその債権の特定の要件ではないとしている。

これによって、現時点で 将来債権も譲渡が可能となりました。この効果で、資金調達の方法が確定既発生債権から将来予測債権へと広がりました、但し譲渡人と第三債務者(譲渡人の取引先)との関係は既発生であることが求められました。

 

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