動産・債権譲渡特例法(part3)
(正式名称;動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律)

(債権譲渡に関する事項) 

此処で、この事業主体だけに限っての資金を考えてみます、借り入れは同じとします。このXアパートにx1号室からx10号室まで10部屋の部屋があるとします、ここにC1さんからC10さんまで10人の人が入っていればA社とこの人たちの賃貸借契約が発生していますから、B銀行は従前の債権譲渡特例法でも第三債務者をこの人達と特定して担保とすることは出来ました。

しかし、学生は大学の場合4年間で通常卒業し賃貸借関係は消滅します。そうすると、4年以上の支払いが発生する賃貸借債権はこの債権譲渡特例法では担保できない債権でした。

さて、見方を変えると賃料債権はその部屋からの収益です、そうすると部屋を特定しても将来債権は特定できますし、それが発生するかしないかは最初のA社とB銀行との消費貸借契約に基づく債権譲渡契約に収益が発生しない場合の代替措置を記載する等の方法で担保できると考えられます。

こう考えると、将来債権の第三債務者は特定されなくても債権として債権譲渡契約が無効とはいえないことがわかります。そのため、今回将来の第三債務者不特定債権は債権が特定される事を条件として登記が可能となりました(もっとも、法務局が実質的審査権を有していないので登記は何であれ通りますが、効力は発生しないと見るべきです。

 

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